2011年8月29日月曜日

パソコンが起動しなくなったトラブル

ある日曜日、お客様よりtell。
当社で数年前に納品したデスクトップPCが起動しなくなったとの事。
詳細を聞けばOS(WindowsXP SP3 Professional)が立ち上がるどころか、
BIOSの起動画面も出ないうちにパソコンの電源が勝手に切れてしまうのだ
そうです。
ついさっきまで正常に作動しており、都合でパソコンを再起動させたところ
このようなトラブルに見舞われ、画像加工の作業がストップしてしまった!
何とかしてくれ!という悲鳴に近い訴えでした(無理もありません・・・)。

お客様のところは当社から車で2時間ほどのところですが、
当然お困りでらっしゃるのと、当方も時間の余裕がありましたので、
すぐに伺いました。さっそくパソコンの中を開け、拝見しますと・・・

写真はとりあえずCPUクーラーファンを外したところ。

ふたを開けたらPC内にホコリがいっぱい付着していました。
部屋の中にワンちゃんが居るそうで、毛もいっぱい付着していました。

外したCPUクーラーフィン
CPUクーラーファン(左)も埃まみれでした。ちなみにIntel純正品です。
マイナスドライバーでホコリを浮かせつつ、掃除機で吸い取ります。

キレイになった。

ファンもキレイに拭き掃除しました。


その後、CPUにもともと塗ってあったグリスを専用クリーナーでふき取ってから、
新たにグリスを塗布してCPUクーラーを再装着しました。
ちなみにグリスは人によっては不要という意見もありますが、CPUクーラーを
CPU本体に密着させ、CPUの熱を効率的に冷却する役割があります。
今回は万が一に備え、キチンと塗っておきました。

写真は新たにグリスを塗っているところ。米粒程度で十分。

左から今回使用したグリスクリーナー、グリス用ヘラ、シリコングリス。



撮影はしませんでしたがもちろん、PC内部はマザーボードも外して全部掃除
しました。
すべてのパーツを組み立てなおして電源を入れると正常に作動し、電源が
落ちる気配もありません。
もちろん大切な画像データもすべて無事。

今回のトラブル原因はCPUファンがホコリのせいでうまく回らず、CPU冷却
機能に問題が発生したため、パソコン側が自衛手段で自己電源オフした
ことでした。
CPUはPCの頭脳。電源投入後すぐに熱を発します。安定した動作のため
には効率的・継続的・安定的な冷却が不可欠なんです。

というわけで直しました。というか、掃除しただけっす。

パソコンのトラブルというと怖気づく方もいらっしゃいますが、案ずるより
生むが易しって場合も往々にしてあります。今回はその例ですね。


あと、少し話はズレますが、今の時代、たとえお一人の作業であっても
パソコンは正副2台は最低必要です。その2台も、できればスペックの
差があまりなく、ソフト(特にPhotoshop)も同じものがインストールされて
いるものが望ましいと言えます。ちょうどカメラにメインと押さえの2台が
必要なように。
これは万が一のトラブルを考えた場合の必要経費です。今回のお客様も
1台のPCしかなく、心底お困りでした。幸い、上記のようにすぐにトラブル
から復旧させることができましたが、普段からPC自体も複数台バック
アップの考えを持っていないと、何かトラブルがあった際、遅きに失する
可能性も否定できません。
こんにち営業写真館の多くがデジタル使いになって久しいですが、
意外とこうした「基本のキ」は、どなたも警鐘を鳴らさないのか、
あまり実践されていないのが実情です。

更に付け加えるなら、画像データーのバックアップも最低3箇所(PC内HDD、
DVD-Rなどの光ディスク媒体、外付けHDDもしくはできればサーバー機)は
欲しいところです。
今回の震災大津波を考えると、エリアを問わず海岸沿いにお住まいの方は、
上記3箇所に加え、さらに外部のデーターストレージ、もしくはHDDの定期的な
内陸地方への物理的な移送などの措置を講じておくべきでしょう。

ということで偉そうに長くなりましたが、今回も大したトラブルでなくて
良かった~!

2011年8月26日金曜日

写真師会連合会 東北六県大会 at 遠野(岩手県)



去る8/18~19に行ってきました六県大会!

あいにくの土砂降りの中、写真館のみなさんかなり参加されていました。

遠野市は柳田國男「遠野物語」で有名なところです。岩手県のほぼ真ん中、
内陸にあり、東北にあって今回の震災被害は比較的軽微だったところです。
僕も10年振りくらいに遠野に行きましたが、個人的には遠野でしか手に入らない
和菓子があって、それが好きっす(甘いものスキなんで・・・)。

さて、本大会、業者も参加できましたので、例によって機材を展示してまいりました。
展示内容は今月初旬の道写連旭川大会のときとほぼ同じ。
ただ、今回は中判デジタルカメラはMamiya645のみ。
デジタルバックは2,800万画素、シュナイダーのLSレンズ付きでの出展でした。

やっぱりみなさん、ホンモノの中判デジカメは触った経験がなく、
興味深そうにご覧になっていました。
今回も参加してよかったといえる6県大会でした。


役員のみなさん、どうもありがとうございました。
さて、来年はいよいよ我が宮城県が担当県です。
場所は松島に決まっているそうです。

また、来年もお会いしましょう!

2011年8月22日月曜日

パソコントラブル~画面がチカチカする編

ノートパソコンというのは基本的には個人レベルで自作はできず、メーカー品
オンリーの世界ですが、うちは中古ノートPCの整備と納品もやっているので
不具合箇所の審査や修理依頼がよく来ます。

この前はこういう相談が来ました。
「ノートPCの画面がちらついて仕方が無いのと、何も操作ができない。
キーボードを叩いても反応しない」というトラブルでした。
 早速現物を送ってもらって診てみると、 確かに電源は入るのですが、
OSが立ち上がった後は走査線みたいなのが画面を激しく上下していました。
そして「タカタカタカ・・・・」という連続する異常音。

これはキーボードのスキマに異物が入っていると考えました。
例えばおせんべいのかけらみたいな小さくて固いものがキーボードのスキマに
入り込み、キーボードを押した状態になっていると推察しました。

そこでまずはエアダスターという、圧搾空気で細かいちりを吹き飛ばす
スプレーでキーボード全体を吹いてみましたが、症状は変わらずでした。

仕方が無いのでキーボード交換に踏み切りました。
まず近所の中古パソコンショップに型番指定で問い合わせると、
なんと同じ品番の中古ノートが在庫にあるとのこと(ラッキーでした)。
さっそく調達してきて、キーボードを取り替えました。

ノートパソコンのキーボードは本体と一体成型ではありません。
別のパーツで構成されており、意外と簡単に取り外すことができます。


これから作業に入るパソコン君。
このスキマをマイナスドライバーでゴジって開きます。
プラスチックのツメ数箇所で止まってますのでこのように外れます。
キーボードを固定しているねじを外します。


最後のねじも外します。このキーボードは全部で3箇所のねじで止まっていました。

上ふたもねじも外し終わったところ。

キーボードと本体のスキマに指を入れ、キーボードを手前に起こせば外れます。
キーボードが手前に来るまで完全にはがします。
キーボードの端子がPC本体内部に挿し込まれていますのでそこも外します。
まずは写真の銀色プレートのねじを外します。


銀色プレートを外すといよいよ端子の先端が出てきました。
ここを引っこ抜いて交換用キーボードと取替えます。







あとは外した手順の逆で新しいキーボードをはめて行きます。


無事、修理(というかパーツ交換)完了。
メーカーの違いはあれど、だいたいノートPCの構造は同じです。
要は臆せずチャレンジすればプラモデルの組み立てと大差ないことが分かるでしょう。

また、この種の修理をする場合、新品PCであれば当然メーカーの保証対象外に
なります(中古PCであっても保証外になるかも)。
しかし、実際問題としてはキーボード交換のような平易な修理でも、
有償修理となればメーカーにかなり高額の修理費を取られます。
であれば、あくまで自己責任という考えで、自分で直すのも手だと思います。


なお、こうしたトラブルはノートPCに限らず、タワー型(デスクトップ)PCでも
もちろんありえます。しかしタワー型キーボードは各パーツが独立しているため、
当然ですが交換は実にかんたんに済みます
また、パーツとしての単品キーボードは新品でも安く手に入り、その分修理費用も
抑えられるのがよいですね。その点、ノートパソコンは同型品のキーボードでない
と適合しないとか、キーボード単体ではまず買えないなど、やっかいではあります。
ノートパソコンってメーカーが独自性を打ち出してきたあまり、パーツの互換性が
皆無に等しい世界になってしまったのが悲しいです。

ま、それはそれでメリットも大きかった、ということにしておきましょう。



2011年8月6日土曜日

営業写真館の大会に出展させていただきました





去る8/3と4日、北海道写真館連合会(通称「道写連」)主催の
「第59回 旭川大会」に、業者として出展させて頂きました。

夏に毎年、日本各地で開催されている、いわゆる写真業界の
集まりの北海道版です。
「夏は大会シーズン」。業界ではそれが暗黙の約束事であり、
業界の風物詩です。

今回、道写連の集まりには初めて参加させて頂きましたが、
当社は基本的に「機械屋」ですので、出品品目は他エリアの
大会と同様でした。

・イチ押しの昇華型フォトプリンター「DS40」「DS80」

高性能&安価なキャリブレーター「Spyder3StudioSR」と 
 正しい使用法(コレ大事です)

・画像処理に特化したWindows自作組み立ての
  当社オリジナル高性能パソコン

・容量も枚数も増加する一方の画像データに関し、画像一元
 管理に劇的に役立つサーバー機
(もはや外付けHDをその都度、対処療法的に追加していく
  時代ではありません)

・A3ノビ見開きアルバムを実寸で編集できるナナオ製の
  ColorEdge30型ワイドディスプレイ

・クリップオンストロボに装着し、自由に形を変えられる
  新発想のディフューザー「FlashBender」。ライトをバウンス
  させようもない位、高い天井下での集合撮影などに便利。

・ノートパソコンや液晶ディスプレイを外光の影響から隔離し、
  正確な色評価に貢献するモニターフード各種

アルバム紙面編集の革命的ソフト「DgFotoArtGold」と、
 それを駆使したアルバム制作内製化の提案。

・当社オリジナルのアイディア紙製品(窓付きの証明写真袋、
  ページ数を自由にできる台紙、集合写真用クリアーホルダー
  など)


そして目玉は中判デジタルカメラのエース2機種。
「PhaseOne645」と「Mamiya645DF」。それに付随したデジタル
バック各種(最新IQシリーズもラインアップ!)も同時出展。
もちろん実際に実機に触れていただきました。シャッターチャンスを
逃さない、スピードのあるオートフォーカスや、35ミリフルサ
イズ機と変わらぬ取り回し性(女性の手持ち撮影も十分可能
です)、口径の大きなレンズの魅力、同調するRAW現像ソフト
 「CaptureOne6」の多彩な機能、それでいて価格は130万円
程度にまで下がり(2,800万画素でもその値段です)、キャノンや
ニコンのハイエンド機種オプション付きとあまり変わらないレベルに
なってきたことなど、プロ撮影の皆様に十分にアピールさせて
いただきました。


また、同時にカメラボディはハッセルやRZ67なども取り揃え、
営業写真館にとってはなじみのある機種と最新デジタルバック
との組み合わせによる操作感も体験していただきました。

もはや業務機は民間機「カメラ」でなく、こうした専用「写真機」
を使わなければ、ライバルとの差別化は難しいのではないで
しょうか。昔の写真師が4×5カメラにこだわったように。

昇華型プリンター「DS40」「DS80」も自動ラミネート機能と
超高画質で、使い勝手もよく、「今まで最高だと思っていた
既存プリンターの上を行く高画質」 と好評でした。
やはり16bit対応のプリンターは格が違います。

ということで、デジタル撮影フローは撮影(データ入力)から
プリント(出力)までのたくさんの工程がありますが、そこには
色々なソフトやデバイスがかかわる訳です。
ここをスムーズに効率よく、品質を落とさずにセンス良く行うのが
プロ写真であり、また、当社のノウハウ部分でもあります。
この過程のいづれかでデバイスやソフトの性能を妥協してしま
ったり、妥協でなくても間違った使い方をしたりすると、そこで
画質がグンと落ちます。特にせっかく中判デジカメで撮影をし、
最高級画質を追求したにもかかわらず、その後の作業フローで
画質を落としてはまったく本末転倒です。ホワイトバランスや
照明色温度の正確な測定といった基本をおろそかにせず、
RAW現像ソフトもパソコンの性能も、周辺物だからといって
妥協しない機材選びが大切です(しかも、昨今ではデフレのため
高機能でも価格はそれほど高くありません)。また、それだけでなく、
普段はあまり触らないフォトショップの内部設定機能や、モニター及び
プリンターの「正しく」「実務に役立つ」キャリブレーションなど、
とにかく一貫して多岐にわたって詳しくなければなりません
そこが大事です。

ネガフィルム時代の「カン」「経験」「感性」「営業年数」だけでは
ない、デジタル時代ならではの正確でシビアな仕事を確立する。
一般の人とは明らかに違う、(無理をしない範囲での)高級最新の
機材で勝負する。こうしたことが写真館の新しい店舗コンセプトに
なり、文字通りの看板になっていって欲しいと私は考えています。


今回の大会は旭川駅前のホテルで開催されました。
エリアを問わず郊外の温泉保養地などで開かれることが多い
写真館大会ですが、今回は珍しく「都市型」でした。
駅隣接でしたから、JRなどで来会しやすい方も多かったのでは
ないでしょうか。
(とはいえ、ほとんどの方が車でお越しになりますが・・・)
まぁ、北海道は広いにもかかわらず、大会は全道で1箇所開催
ですから、交通手段が複数確保できる場所の方がいいかも
しれませんね。

来年は函館、湯の川温泉で開催されるそうです。
温泉マニアの私としても楽しみです!
(遊びじゃないんですが・・・)

来年も伺わせてください。
関係者のみなさま、今回どうもありがとうございました!
また、よろしくお願いいたします。