2011年8月22日月曜日

パソコントラブル~画面がチカチカする編

ノートパソコンというのは基本的には個人レベルで自作はできず、メーカー品
オンリーの世界ですが、うちは中古ノートPCの整備と納品もやっているので
不具合箇所の審査や修理依頼がよく来ます。

この前はこういう相談が来ました。
「ノートPCの画面がちらついて仕方が無いのと、何も操作ができない。
キーボードを叩いても反応しない」というトラブルでした。
 早速現物を送ってもらって診てみると、 確かに電源は入るのですが、
OSが立ち上がった後は走査線みたいなのが画面を激しく上下していました。
そして「タカタカタカ・・・・」という連続する異常音。

これはキーボードのスキマに異物が入っていると考えました。
例えばおせんべいのかけらみたいな小さくて固いものがキーボードのスキマに
入り込み、キーボードを押した状態になっていると推察しました。

そこでまずはエアダスターという、圧搾空気で細かいちりを吹き飛ばす
スプレーでキーボード全体を吹いてみましたが、症状は変わらずでした。

仕方が無いのでキーボード交換に踏み切りました。
まず近所の中古パソコンショップに型番指定で問い合わせると、
なんと同じ品番の中古ノートが在庫にあるとのこと(ラッキーでした)。
さっそく調達してきて、キーボードを取り替えました。

ノートパソコンのキーボードは本体と一体成型ではありません。
別のパーツで構成されており、意外と簡単に取り外すことができます。


これから作業に入るパソコン君。
このスキマをマイナスドライバーでゴジって開きます。
プラスチックのツメ数箇所で止まってますのでこのように外れます。
キーボードを固定しているねじを外します。


最後のねじも外します。このキーボードは全部で3箇所のねじで止まっていました。

上ふたもねじも外し終わったところ。

キーボードと本体のスキマに指を入れ、キーボードを手前に起こせば外れます。
キーボードが手前に来るまで完全にはがします。
キーボードの端子がPC本体内部に挿し込まれていますのでそこも外します。
まずは写真の銀色プレートのねじを外します。


銀色プレートを外すといよいよ端子の先端が出てきました。
ここを引っこ抜いて交換用キーボードと取替えます。







あとは外した手順の逆で新しいキーボードをはめて行きます。


無事、修理(というかパーツ交換)完了。
メーカーの違いはあれど、だいたいノートPCの構造は同じです。
要は臆せずチャレンジすればプラモデルの組み立てと大差ないことが分かるでしょう。

また、この種の修理をする場合、新品PCであれば当然メーカーの保証対象外に
なります(中古PCであっても保証外になるかも)。
しかし、実際問題としてはキーボード交換のような平易な修理でも、
有償修理となればメーカーにかなり高額の修理費を取られます。
であれば、あくまで自己責任という考えで、自分で直すのも手だと思います。


なお、こうしたトラブルはノートPCに限らず、タワー型(デスクトップ)PCでも
もちろんありえます。しかしタワー型キーボードは各パーツが独立しているため、
当然ですが交換は実にかんたんに済みます
また、パーツとしての単品キーボードは新品でも安く手に入り、その分修理費用も
抑えられるのがよいですね。その点、ノートパソコンは同型品のキーボードでない
と適合しないとか、キーボード単体ではまず買えないなど、やっかいではあります。
ノートパソコンってメーカーが独自性を打ち出してきたあまり、パーツの互換性が
皆無に等しい世界になってしまったのが悲しいです。

ま、それはそれでメリットも大きかった、ということにしておきましょう。



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